沖縄県多重債務対策協議会・沖縄県ヤミ金融被害防止対策会議の実務担当者勉強会に出席しました(寺田)
2017年06月28日
先日、沖縄県子ども生活福祉部消費・くらし安全課からの呼びかけで標記の会議に沖縄弁護士会消費者問題対策特別委員会副委員長として出席してきました。この会議には、当事務所の川田弁護士も沖縄クレサラ・貧困被害をなくす会事務局長として出席していました。
私からは、沖縄県特有の共済問題について、訴訟提起を行ったこと及び訴訟の進行状況について報告をしました。
共済問題とは、債務者が支払ができなくなったときに一定の共済金を支払ってくれる小規模の「共済」に加入すること(加入料は貸付金額の2割相当額)を条件として、貸金業者が貸付を行っていたというものです。貸金業者及び共済業者は、単なる助け合いの共済にすぎず、債務者への求償もしないので保証には当たらないなどと主張していました。しかし、債務者から共済業者に支払われた加入料のほとんどは貸金業者に還流されていました。このことから、貸金業者と共済業者を一体とみて、高利息の取得による出資法違反で貸金業者及び共済業者が逮捕され、有罪判決が下されています。
現在、弁護士会の有志の弁護団により、貸金業者及び共済業者に対して損害賠償請求の訴訟が係属中です。
また、この会議では、県内ではヤミ金の被害が増えていること、共済類似の保証業者や一般社団法人が出てきたことなどの情報交換がなされました。
沖縄の多重債務問題は依然として深刻な状況が続いています。貧困問題と直結している面もあり、なかなか難しいところがあるのは否めません。啓発活動も含めて今後も問題の解決に取り組んでいきたいと考えています。(寺田)