先日、長崎県雲仙市にある社会福祉法人南高愛隣会を視察してきました。
南高愛隣会には、私の出身事務所である東京パブリック法律事務所から法人内弁護士として野原郭利弁護士が赴任しています。そこで、同事務所の関係者でツアーを組んで視察をしてきました。
南高愛隣会は、罪を犯してしまった障がいを持つ方の更生の支援を熱心に取り組んでおり、その先進的な取り組みに全国的に注目を浴びている法人です。これまでは、刑務所から出所した後の受け皿としての支援(出口支援)が中心でした。最近は、これに加えて、裁判を受ける前の段階で、刑務所ではなく福祉施設での更生がふさわしい場合は、その受け皿となるべく裁判などで支援していくこと(入口支援)にも取り組み始めたとのことでした。
様々な施設を見学させていただいたのですが、その施設の規模や運営の体制などについて目を見張るものがありました。実際に、利用者が生活している施設の中も見せていただくことができ、その支援体制の充実さに感心しきりといった状態でした。そして、野原弁護士は、組織内弁護士として法人の運営について法的側面から支援をするだけでなく、利用者から法律相談を受けることもあり、様々な役割が期待されているとのことでした。
沖縄でも、那覇市に地域生活定着支援センターがあり、刑務所から出所した後の行き先についての調整などを行っています。しかしながら、物的・人的資源が不足しており、現状では出口支援のみで手一杯であり、入口支援をするほどの余裕がないとのことでした。何とか沖縄でも南高愛隣会のような取り組みを実施できるようにしたいところです。
ところで、雲仙では久しぶりに温泉に入ることが出来ました。おいしい食事とお酒もいただくことができ、懐かしい先輩方と夜中まで熱いトークなどで盛り上がりました。この視察を通じて、良い刺激と鋭気を養うことが出来ました。たまにはこうした息抜きも良いものですね。
(寺田)